「THE WINDS OF GOD」ドラマ版感想

放送がスマコン大阪当日だったのでしばらく封印されていたんですが、
先日の三連休中にようやく封印を解いて鑑賞。

率直な感想は「物足りない」ですね・・・。

一応芝居・原作本・映画と3つのメディアでこの作品を見てきていて、
このドラマで4つ目。
厳密に言えば芝居は初代金太と二代目金太と見てますので5つ目といっていいのかもしれませんが。

順番は芝居、原作本、映画の順なんですが、
この段階では統一感があって、メッセージも良く伝わったと思います。

私はこの作品のおもしろいところは、
漫才が象徴する現代と特攻が象徴する戦時中の対比の妙だとか、
反戦をテーマにしながら輪廻というファンタジックな設定があったりという部分だと思っているんですが、
今回のドラマはそのどちらも際立たなくて、
ありきたりな戦争物ドラマになってしまっていたなぁと。

特に芝居版、映画版と比べて物足りなかったのは

・冒頭でかなり時間を割いて演じられるはずの(芝居なんて下手すると40分以上ある)兄貴と金太のダメダメ漫才シーンがまったくなかったので、現代と戦時中との落差をあまり感じなかったし、金太のダメ具合もアピールなし。
・主人公の二人が戦時中に現れた理由を山本が持論を用いて説明するシーンがかなり削られていた。しかも「現代に帰れるかもしれない」というニュアンスは全く削られていた。そのため金太が帰れるのに帰らないと決めるというカタルシスがなかった。
・特攻メンバーとの会話シーンがかなり削られていたので、聖書の下りや100メートル走りのエピソードがかなり唐突な感じになっていた。
・現代のパートで部隊長の悔恨が語られるシーンは全くなかった。そのため反戦色が薄いと感じた。

逆に不要に感じたのは旅館のシーン全般。
(それが芝居版等との差別化ということなんでしょうが)
まるで「君を忘れない」辺りを意識したような作りでがっかり。
後森田氏の彼女が戦時中の彼女と瓜二つというのは、
本編で語られる「輪廻」「生まれ変わり」の定義には反するような気も。
(だって年齢的にまだ戦時中の彼女が生きているうちに現代の彼女は生まれていると思うんですが)

キャスティングが良かっただけに余計残念。
(まぁぐっさんは戦時中の軍人にしてはちょっとお肉がありすぎな気もしましたが(*^_^*))
森田氏かわいかったしなぁ・・・。
ぐっさんとの漫才シーンをものすごく楽しみにしていたので、
かなりスカされた感アリ。

以上かなり辛口ですが感想といたします(^_^.)

興味のある方は是非芝居を一回見ていただきたいです。
(そうそう、エンディングが「青空」じゃなかったことも寂しかった)
まぁ、好みがあるので一概に良いとは言えませんが。
(メッセージ性の強いものを好まない方にはドラマ版で十分なのかもしれないな・・・)